第107代総理大臣となった高市早苗氏が持っていた鞄。濱野皮革工藝の「グレースディライトトートバッグ」が話題です。で、なんと私持ってます。高市総理とお揃いということで嬉しくなったので記事にしておきます。
濱野皮革工藝と傳濱野
今回話題になっている「濱野皮革工藝」を検索したら「傳濱野(でんはまの)」も出てきて「おや?」となった方もいるでしょう。濱野では昔、2009年に資本が外部にうつったことをきっかけにお家騒動があり、私はそのお家騒動の前に「濱野皮革工藝」で「グレースディライトトートL」を買いました。当時はサイズが二つあったのです。
私はこのバッグに一目惚れして買ったのでその後は濱野のHPを覗くこともありませんでした。しかしお財布がほしいなと思って覗いたところ、「傳濱野はんどばっぐ」という名前のお店ができていたのです。
濱野の歴史は明治から
「傳濱野」のHPによると、濱野の鞄製造の歴史は濱野傳吉氏から始まったそうです。そして明治、大正、昭和、平成と時は流れ、2009年の資本が外部に渡ったことをきっかけに、濱野家当主の鞄づくりが思うようにならなくなったそうです。
そこで思い悩んだ濱野家直系の濱野有氏が「株式会社濱野傳吉商店」を作って、「濱野皮革工藝」とは違う道を歩み始めたそうです。
「傳(でん)」は創業者の名前から
濱野有氏のこだわりは濱野家代々のこだわり。それは「使う人の身になって、いい物をつくる。そのためには絶対妥協しない」ということでした。
初代の濱野「傳」吉氏の思いを次世代にも「伝」える。そんな想いで「傳濱野はんどばっぐ」を立ち上げ、今も素敵な鞄を作りつづています。
そして「傳濱野」とは別に道を歩むようになった「濱野皮革工藝」もまた、別の道を歩むも同じく鞄作りの道を邁進するようになっていました。
結局どっちがいいの?
消費者としてはなるほどそんな経緯があったのねと思いつつも、当時、今後はどっちで買えばいいのとなってしまい、お店から離れていました。
とはいえ、当時の私としては奮発して買ったグレースディライトトートは今も現役で、多少の傷みはありますが、まだまだ綺麗です。「濱野」で買って良かったと思っています。
「濱野」は二つに分かれてしまいましたが、それぞれが切磋琢磨し、素敵なバッグを作っているのは間違いないでしょう。
なので、好きなデザインがある方で買えばよいと思います。で、私のみたところ、「濱野皮革工藝」はビジネスよりで、「傳濱野」はオリジナリティのある鞄が多い印象です。
仲が良いのか悪いのかは外からは伺いしれません。しかし「濱野」の心はどちらにも受け継がれているでしょうから、好きな方を選べば良いのではないでしょうか。
傳濱野はんどバッグと濱野皮革工藝は再びひとつに(追記)
ちょうどこの記事を書き始めたのは2025年10月31日でした。しかし濱野皮革工藝の紹介文を参考に追記しようとしていたら、なんと創業家の「傳濱野はんどばっぐ」と「濱野皮革工藝」が再び手を取り合って歩み始めるという告知がサイトに出ていました。驚きです!
こちらの文章をお読みください。
ご挨拶と資本について
明治の頃、濱野有の曽祖父にあたる濱野傳吉から始まった、濱野家のバッグの歴史。明治、大正、昭和、そして平成という4つの時代を駆け抜ける流れの中で、 2009年、濱野皮革工藝の資本が第三者に移り、濱野家当主の思う「わがままなバッグづくり」が続けられなくなるという事態が起こります。
時は移り2013年。濱野本家の現当主である濱野有が濱野皮革工藝をはなれ、濱野皮革工藝とは全く関係のない自分の理想を追求した 「傳濱野はんどばっぐ」を立ち上げます。
更に時は移り今月1日、濱野家が濱野皮革工藝に参画できることになりました。
傳濱野を立ち上げた時のクリエーション、経営両面のパートナーであるデジサーチアンドアドバタイジングという会社とその関連会社の社会的事業承継、資本に左右されず安定的事業継続(※)を目指すUKETUGIで濱野皮革工藝の資本を縁あって買い戻させていただけることになりました。
軽井沢工場の職人は2013年までいた職人が大半で、また仕事が一緒にできる事となりました。
このことは今年いっぱい職人達と落ち着いてこの12年間の時を語らい埋めてから、皆様には年始にご挨拶するつもりでございました。
しかし今回の広まり、現状をも鑑み、お客様にご挨拶した方が良いと考えた次第です。
現在職人一同張り切っております。また色々と突然のことでもございましたので、1カ月の生産量を少し落とす指示を出し、丁寧にバッグづくりにいそしんでまいります。
なお、傳濱野はんどばっぐは伝統と革新を兼ね備えた使いやすいバッグブランドとして、
濱野皮革工藝のバッグの方向性は職人や濱野家、関係者とあと数か月語らった上で決めていきたいと思います。今後とも皆様の暖かいご支援を頂ければ幸いでございます。
※社会的事業継承、資本に左右されず安定的な事業継承について株式会社UKETUGIからのコメントをこちらで掲載しております。
いやー魂消ました。よもやこんな展開になるとは思ってなかったのです。でも喜ばしいことです。やはり一つの場所で一緒に鞄を作っていたのに分かれてしまったことは残念だなと思っていたので。
「濱野皮革工藝」グレースディライトトートL
というわけで、私が2007年に買った濱野皮革工藝の「グレースディライトトートL」です。保管袋?もあります。でも「Hamano」のロゴのところがくずれてきています。加水分解?ですかね?ちなみに当時のお値段は5万円でした。(明細が残ってました)

表。流石に少しくたびれていますね。右下の部分が特にひどい。大事に使ってるけどなあ。こういうシワ?ってどうにかならないのかしら。

裏。ファスナーポケットがあります。

底鋲があって床におくこともできます。

中はファスナーで閉まるようになっており、前後にも物を入れて置けます。マチもたっぷりでたくさん物が入ります。しかし入れすぎると型崩れをおこすでしょうからほどほどに。ファスナーポケットと普通?のポケット。

ファスナーには濱野のロゴ「Hamano」が入っています。

この鞄の一番気に入っているところなのですが、ファスナーが大きく開くところです。このおかげで使いやすいこと。物の出し入れがしやすい。

使っている感想
なんせ軽いです。肩にもかけられるし、作りもしっかりしています。牛革って重いイメージしかなかったのですが、このグレースディライトトートは違います。この軽さは子牛の革だからこそのようです。一度買えば一生物のバッグだと言い切れます。
しかし高市総理の使っているものとして話題となったので、今や注文しても現時点で来年の6月末までの入荷待ちだそうです。すごいですね。
でも濱野は鞄だけでなく、お財布も素敵な物があります。私がほしいと思っているのはこちら。同じグレースシリーズで次に買うお財布にしようかな〜と思っているところです。ちなみに2種類あります。まずは小銭入れがファスナーになっているタイプ。
こちらは小銭入れはがばっと開くようになっています。ギャルソンタイプ。これと迷っているんですよね。
もちろん今使っている土屋鞄の長財布も気に入っているんですけどね。詳しくは個別記事「日本製の長財布|土屋鞄 クラルテポケットロングウォレットの感想」を参考にどうぞ。
最後にひとこと
早苗ちゃん(親しみを込めて呼ばせてください)とお揃いのバッグを私持ってる!ちょっと嬉しい自慢となりました。日本を良い方向に舵取りして引っ張ってくれるのを祈っています。




コメント