我が家は「盛り塩」をしています。場所は玄関とお手洗い、台所です。神棚を入れると4か所になります。神棚は生まれた時からそうでした。しかし玄関などは私が縁起がいい、商売繁盛にいいらしいと始めました。でもその効果があるとはいいません。なのになぜ今だに盛り塩をしているのか?その理由についてお話しします。
塩の効果
まずオカルトやスピリチュアルなことを考える前に、塩について知りましょう。
保存に使われる塩
日本での保存食といえば「梅干し」です。誰もが知るその代表です。梅と塩を一緒に漬けることで水分が抜けるため、細菌が住みにくくなる上、梅のクエン酸の強い殺菌成分で、何百年も前に作られた梅干しが腐らずに今でも保管されているものもあります。もちろん食べることも可能です。その殺菌力には目を見張るものがあります。
ちなみに現存する一番古い梅干しは、国の重要文化財の建物「中家(なかけ)住宅」で保管されている梅干しです。しかし、2024年7月に、近隣住宅の焚き火が原因による火災に見舞われてしまい、ツボが割れて水浸しになってしまいました。失火元の隣家の50代の夫婦は一体何を考えていたんだろうと腹立たしく思ったことは今でも覚えています。
現在その梅干しがどうなっているのかは調べたものの見当たらなかったのですが、おそらく乾燥させて保管し直されているのではないでしょうか。しかし水浸しになったということで味は変わってしまったでしょう。残念なことです。
中家の梅干しについてのニュースはこちら。
国の重文「中家住宅」、近隣のたき火燃え移り修理費5億円…公費補助も所有者の負担2500万円に
昨年7月に火災に見舞われた国の重要文化財「 中家 住宅」(奈良県安堵町)の所有者が、修理費をまかなうため、クラウドファンディング(CF)に乗り出した。文化財の復旧は専門的な調査や部材が必要で、公費の補助があっても所有者の負担は高額となることが多い。(奈良支局 遠藤絢子)
「知名度が低いので、どこまで寄付が集まるだろうか……」。中家住宅の21代目当主・ 中寧さん(66)は不安そうに話す。
同家は二重の 濠 を巡らせた江戸初期の 環濠 屋敷で、1968年に重文に指定された。昨年公開された映画「鬼平犯科帳 血闘」では、ロケ地の一つとなった。
火災は近隣住民のたき火が燃え移ったとみられ、約10年前に大幅に葺き替えた主屋の 茅葺 き屋根が焼け落ちた。名物だった400年以上前に漬けられた梅干しは、つぼが割れて水浸しになったという。
後略
読売新聞
国の重文「中家住宅」、近隣のたき火燃え移り修理費5億円…公費補助も所有者の負担2500万円に【読売新聞】 昨年7月に火災に見舞われた国の重要文化財「 中家 ( なかけ ) 住宅」(奈良県安堵町)の所有者が、修理費をまかなうため、クラウドファンディング(CF)に乗り出した。文化財の復旧は専門的な調査や部材が必要で、公費の補助
被害にあった中家住宅はクラウドファンディングで資金を集めてなんとか復活を遂げています。詳しくはこちらをどうぞ。
梅干しの効果効能はすごい
せっかく梅干しに触れたので梅干しのすすめを少し。
ちょっとした腹痛が起きた時、我が家では自家製の梅干しをお茶に入れて飲みます。そしてご飯を炊く時に一ついれます。それだけでご飯が傷みにくくなりますし、嬉しい効果として「ムメフラーム」という梅干しに含まれている成分が加熱することで増えます。
ムメフラールの力
ムメフラームの効果がすごいの紹介しておきます。ちなみに「ムメフラール」は青梅を絞って煮詰めて作る「梅肉エキス」に含まれている成分で、青梅を絞って煮詰めて作る過程で生成するクエン酸と糖の複合体です。クエン酸が入っているので疲労回復効果もすごいと言われています。
煮詰める過程で生成するクエン酸と糖の複合体「ムメフラール」に、血流改善効果がある。このほか、殺菌作用、胃腸の運動を活発にして消化吸収を良くする作用、カルシウムの吸収率アップ、肝機能改善といった働きを持つ。
サプリメント辞典より
手元の辞典にはこの説明しか載ってなかったので、webで検索してみたらわかさ生活さんのページにも詳しく載っていました。
●基本情報
ムメフラールは、梅や梅干には含まれず、梅の果汁を煮詰めてつくる梅肉エキスに多く含まれます。ムメフラールはクエン酸と糖の一部からつくられており、血流を改善する効果が期待されています。●ムメフラールの歴史
ムメフラールは1999年、忠田吉弘氏らにより発見されました。忠田吉弘氏らはムメフラールには赤血球がもつ、細い血管でもスムーズ通ることができる機能である、赤血球変形能を促進することを明らかにしました。名前の由来は梅の学名「Prunus mume」と糖質である「5-ヒドロキシメチルフルフラール」からつけられています。●梅肉エキスについて
ムメフラールは殺菌・成長作用を持つ民間薬として古くから利用されてきました。梅肉エキスは、梅干しとは異なり、食塩が含まれていないので塩分摂取を制限されている人でも安心して摂取することができます。この梅肉エキスはクエン酸やアミノ酸などの有機酸類が多く含まれており、昔から殺菌、疲労回復、胃の保護作用を持つといわれています。後略
わかさ生活より
ムメフラール | 成分情報 | わかさの秘密ムメフラール の成分情報を掲載しております。ムメフラール の働きや効果・効能などムメフラール に関する情報を詳しくご紹介します。
梅干しは塩を使って作るため、当然ながら過剰な摂取は当然良くないので一日1つで十分でしょう。ムメフラールの効能を何も気にせずに摂取したい人は塩分の入っていない「梅肉エキス」を手に入れると良いですね。自分で作るのはかなり大変なので・・・。(作ってみようかと思ったら大変すぎてやめました)
でも梅干しなら簡単に作れますから、是非自家製に挑戦してほしい。詳しくは個別記事「初心者向け|梅干しを漬ける方法と必要な道具とコツ」を参考にどうぞ。
土俵で撒かれる塩
相撲において撒かれるのも「塩」です。しかし私は今回調べるまでは単なる「お清め」のためとしか思っていませんでした。と言っても、最初は「お清めのために」塩を撒いていたのでしょう。というのも、塩の科学的な効能や効果は後の世にならないと解明されないことだからです。
そしてその「科学的な効能」として、やはりその殺菌効果があげられます。日本相撲協会の公開している資料(pdf)には「塩には殺菌効果があるので、すり傷や切り傷の化膿止めにもなる」と記載されていました。
地の邪気(悪い気)を祓い、土俵を清める意味から、土俵には「清めの塩」をまきます。
塩には殺菌効果があるので、すり傷や切り傷の化膿止めにもなります。
一場所で約六百キロ使われます。日本相撲協会(pdfファイルなのでご注意を)
https://www.sumo.or.jp/pdf/honbasho/kansen/mankitsu_nyumon.pdf
千客万来、邪気祓い、お清め
では次に塩を「オカルト」的にみてみましょう。
と言いつつ、相撲での塩撒きはそれこそ「お清めの塩」でした。日本相撲協会の説明にも「地の邪気を祓い、土俵を清める」という意味があると記述されています。
そして清めると言えば、お通夜や葬儀に出席すると「清めの塩」を渡してくれる場合があります(宗教による)。これは「死」を「穢れ」と考える「神道」の思想からきています。この「穢れ(けがれ)」は「気枯れ」であり、物理的な「汚れ」ではありません。死と接した人は弱っており、それを「回復させる」目的で、「お清めの塩」をふるのです。
このように「祓う」意味がある一方、人を招くために使われた塩もありました。ご存じな人も多い、玄関前に塩を置いて、高貴な人の乗る牛車を引く牛を呼んだという中国のお話です。このお話から、お店の玄関に盛り塩を置くという習慣が根付いたんでしょうね。あまりに有名なお話です。
盛り塩をすすめる理由
塩についての「科学的」「オカルト的」観点のお話が済んだところで、なぜ私が「盛り塩」をすすめるか?というお話をします。
それはただ一点に尽きます。それは塩を盛り付ける心の余裕をもつためです。仕事に家事にと忙しない中でも、我が家では1日と15日に、神棚と玄関、台所、お手洗いの盛り塩を新しくしています。
盛り塩を置く日は家をいつもよりできる範囲でも丁寧に掃除して、ゆったりとした気持ちで盛り塩を作り、置いて手を合わせています。このひとときを大切にしています。
今はこの時間の大切さを感じていますが、昔は「今日は15日だ変えなきゃ!」とばたばたと交換していました。しかしとある厄神さんにお参りしたときに神主さんに「出かける前に祝詞を唱えられるだけの心の余裕をもつことが大切」「慌てて出かけることが災厄を招く」という良いお話を聞いたことをきっかけに、私は「1秒でも長く寝たい」とギリギリまで布団にいる駄目な人間を卒業できました。今では出かける2時間前には準備をし始める真っ当な人間です。
慌てて出かけたら交通事故に遭うかもしれない。もちろん慌てて出なくても巻き込まれるなどの不慮の事故の可能性はありますが、それでも、慌てて横断歩道を渡ることなく、確認して渡るだけでリスクは下がる。暴走している車の音に気づけるかもしれない。普段から心の余裕をもって行動することが、身の安全にも繋がるのです。
家で、月に2回だけでも塩を置く場所を綺麗にして、ゆったりとした気持ちで盛り塩を作り、それを置いて手を合わせる。お祈りしたい人はすればいいでしょう。私は「悪いことがおこりませんでしたありがとうございます」と感謝したり、「これからも悪いことがおきないように」とか祈ってます。
盛り塩で金運が上がるとか持てるようになるとかそういうのではなく、ただ心静かに盛り塩を作って置く時間を月に2回作ることが心の平穏に繋がる気がしているのです。どうでしょうか。
盛り塩の作り方と必要なもの
というわけで、盛り塩をしていきましょう。必要なものは「粗塩」とそれを乗せるお皿、あるといいのは綺麗な円錐を作れる盛り塩固め器、そしてこれは個人的に進めたいアクリルキューブです。

まずは塩を乗せるお皿。私は伊勢の宮忠で買ったものを使用しています。サイズは2寸。日本製。

続いて、このお皿を入れることができるアクリルキューブ。これは去年から使うようになりました。いつも埃や湿気が気になっていて、梅雨時は数日で塩が溶けてしまってびしゃびしゃになってましたが、このケースに入れることでそういうことは全く起こらなくなりました。超おすすめです。2寸のお皿はこの7cmのに入ります。

これは百均で買いました。作っているのは和泉化成さんです。90cmのものもあります。大きなお皿に盛り塩している人はそちらをどうぞ(もちろんサイズの確認はしてくださいね)
上からの写真。

ぱっとみただのアクリルキューブに見えますが

このように蓋が外れるようになっています。

そして2寸のお皿がシンデレラフィット!まるであつらえたかのようです。

では次に使う塩。粗塩です。粗塩はどれでもいいでしょう。でも個人的にやはり国産の粗塩を使いたいです。そしてさらさらの塩は固まりにくいので湿らせる必要があるので、粗塩が手っ取り早いのでおすすめです。

そしてやっぱりあったほうがいいと思うのが、盛り塩固め器です。

何年も前に買った伊勢の宮忠さんのものです。底に「宮忠」の刻印があります。

中も一応。

盛り塩の作り方
まずは盛り塩固め器に付属していた説明書です。盛り塩にする塩に霧吹きでスプレーしてから、盛り塩固め器に入れていますね。この工程が面倒なので、私は最初からしっとりしていて固めやすい粗塩を使っています。

というわけで、私の作り方。盛り塩固め器に粗塩を詰めます。けっこうきっちり押し込んでいます。そしてすりきり。

そして盛り塩固め器にお皿を乗せて・・・

ひっくり返す。

そしてそっと盛り塩固め器をそっと外します。乱暴に外すと崩れることもあるので注意しましょう。写真のように綺麗な円錐の盛り塩ができます。

ほこり対策
そしてこの出来上がった盛り塩を、百均で売っているアクリルキューブの中にいれます。この時、たまに失敗しそうになるし、失敗したこともあります。それくらい割とギリギリ。でも埃除けにぴったりなのです。

完成したら置きたい場所におきます。このケースに入れているおかげで、梅雨時の湿気もホコリもきにならなくなったので、本当におすすめ。
使っているお皿は伊勢の宮忠さんのものです。
商売繁盛に良い色というお皿も。他にも交通安全の緑色のお皿なども。
使っている円錐器
百均で売ってますが、アクリルキューブ。(お皿のサイズが2寸のものなら入ります)通販使わなくても百均にありますからね〜。
最後にひとこと
盛り塩は毎日取り替えると良いそうですが、流石に神社でも寺でもないので月に2回で十分だと思います。もっと変えたい人は10日、20日、末日などにすると良いでしょう。








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