【続報】韓国産わかめを鳴門産わかめとして販売【食品偽装】

昨年2015年12月に発覚した「韓国産わかめ」を「鳴門わかめ」として偽装販売していた事件がありました。しかしこれは初めての事ではありません。この偽装問題をどうするつもりなのか、どう動いていたのか、そしてどうなったのか、今後安心出来そうな続報が出ましたのでご紹介します。

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ことの始まりは2008年の偽装発覚

まずはソースから。

鳴門ワカメも偽装 ワカメ協会会長会社などで外国産混入

 徳島県は21日、同県特産の「鳴門ワカメ」の商品に韓国や中国産のワカメを混入して販売していたとして、JAS法に基づき、同県鳴門市内の2社に対し、全商品の表示を点検し、不適正な表示を是正するよう指示したと発表した。今後、同県内のワカメ加工業者約50社に対しても調査する。

 表示を偽っていたのは、鳴門海藻食品(花面(はなめん)崇保(たかやす)社長、鳴門市撫養(むや)町大桑島)と吉田敏治商店(吉田義明社長、同市里浦町里浦)の2社。花面社長が経営する「花面商店」(同市)も偽装にかかわったとして文書で厳重注意した。

中略

 花面社長は全国120社が加盟する日本わかめ協会の会長を務めている。同協会の岩崎誠副会長(東京都葛飾区・松栄社長)は「会員には偽装をしないように何度も通知をしていたのに、トップの不祥事で本当に残念だ」と話した。

朝日新聞:2008/1/21

日本わかめ協会の会長がやっていたという絶句する報道でした。
わかめ

↑この写真はフリー素材写真のわかめです

再び起こった産地偽装

その後、当然対策が取られて大丈夫になっているものと思ってましたが、去年末に再び偽装が発覚しました。ソースです。

鳴門わかめ偽装で家宅捜索 容疑で徳島県警、県の告発受け
外国産ワカメを「鳴門水域産」と偽って表示、販売した疑いがあるとして、徳島県警生活環境課と鳴門署は8日午前、鳴門市撫養町立岩のワカメ加工業大林年子代表(84)の自宅などを食品表示法違反の疑いで家宅捜索した。県は11月に大林代表に対して同法違反で表示の是正を指示していたが、その後の調査で他にも偽装があったとして、8日、是正を命令するとともに刑事告発した。

中略

 県はこの商品(30グラム入り)を3袋購入し、民間の分析機関で鑑定したところ、いずれも今月7日に「鳴門産ではなく、韓国産の確率が高い」との鑑定結果が出た。偽装が続いたことから悪質性が高いと判断し、告発した。

徳島新聞:2015/12/8

報道内容を見ると「韓国産わかめ」と確定してはいませんが、可能性が高いということで「鳴門わかめ」の信頼はゼロになったに等しいでしょう。

繰り返される産地偽装

全国で相次いで発覚する産地偽装。鳴門わかめもそのうちの一つです。しかし感情的に「偽装してたんだ、もう買わない」では根本的な解決になりません。というわけで、「鳴門わかめ」がどういう状況なのかを調べてみました。

鳴門産わかめの生産

鳴門わかめは非常に手間とコストが掛かる食品です。春にわかめの種を撒き、夏には水槽の中で育てて種苗に。そして秋になる頃には成長した苗を海で養殖。そして冬の間に成長して、翌年の春、ようやく収穫されていました。まるで植物ですね。(ちなみにわかめは植物ではなく生物だそうです。初めて知った時は驚愕しました)

収穫されたわかめはそのまま市場に出されるわけではありません。湯通しされ、「生わかめ」や「塩蔵わかめ」などになってからようやく、流通ルートに乗って、私たちの食卓へ来ていました。

写真付きの判りやすい生産過程を見る事ができるページは「公益社団法人徳島物産協会」にあります。参考までに。

養殖は手間が掛かると知っていましたが、お店で売られている鳴門わかめにそのコストが反映された値段で売られている印象はありません。決して許される事ではありませんが、偽装が生まれやすい環境だと思いました。

2008年の偽装発覚の業者のインタビュー

当時の偽装についての一問一答の記事を見つけたので参考にどうぞ。

「鳴門産だけでは赤字」 わかめ産地偽装、鳴門海藻社長釈明

「鳴門わかめ」の産地偽装問題で、徳島県から日本農林規格(JAS)法に基づく是正指示を受け、連絡が取れない状態が続いていた鳴門海藻食品(鳴門市撫養町大桑島)と花面(はなめん)商店(同市里浦町里浦)の花面崇保(たかやす)社長(59)が二十八日、徳島新聞社の取材に応じた。

中略

 ◎花面社長一問一答 人生最大の汚点

 -偽装した経緯は。

 一九九五年五月に鳴門海藻の社長に就任し、私と元社員の二人が指示した。鳴門産は加工などの中間コストが掛かる上、品質にばらつきがあって仕入れの半分近くを廃棄することもある。不良在庫もかなりあった。しかし、生産者のためと思い、赤字は増えるが買えるだけ買った。中国、韓国産を混ぜないとやっていけなかった。鳴門、中国、韓国産を同じ割合で混ぜていた。

中略

 -鳴門海藻は九五年以前から外国産を混入していたのか。

 社長に就任するまで鳴門海藻の内情はあまり知らなかったが、中国と韓国産は仕入れていたと思う。混ぜて販売していたかどうかは分からない。

後略

徳島新聞:2008/1/29
http://www.topics.or.jp/special/122545453621/2008/01/120157114802.html

戦慄するのは、先代からやっていた可能性があるということです。病巣は深い。

鳴門わかめ偽装防止の動き

2008年の事件後、関係者は動きました。その際に出来たのが「鳴門わかめブランド対策部会」でした。

鳴門わかめの安全・安心を宣言 関係団体、信頼回復へ協定締結

 協定の締結式は徳島市東沖洲二の県水産会館であり、関係者約二十人が出席。鳴門市内のワカメ加工業者三十五社でつくる「鳴門わかめブランド回復緊急対策部会」(八幡昭彦部会長)、市外の十業者でつくる「鳴門わかめブランド回復対策会議」(森竹義浩会長)の加工業者側二団体と、県漁連(利穂博会長)、生産者側の県漁連わかめ生産部会(杉山知明会長)の代表がそれぞれ署名した「鳴門わかめ信頼回復のための協定書」を交わした。立会人として知事も協定書に署名した。

徳島新聞:2008/2/29

http://www.topics.or.jp/special/122545453621/2008/02/120424919381.html

危機感はあったんですね。ちゃんと。

ブランド対策部会の部会長が偽装に関わっていた

この部分は今日の報道を受けての追記です。

鳴門わかめ部会が解散 臨時総会、意見割れ挙手採決で判断

鳴門市内のワカメ加工業者でつくる鳴門わかめブランド対策部会の部会長だった業者が産地を偽装していた問題で、対策部会は10日、同市撫養町の市うずしお会館で臨時総会を開き、同日付で部会を解散した。存続したまま信頼回復を図るのは困難との意見が大勢を占めた。2008年以来、相次いで産地偽装が表面化した鳴門わかめのブランド対策は振り出しに戻った。

徳島新聞:2016/2/11

ブランドを守る立場の人が偽装していました。

偽装には厳罰化する方向へ

またしても起こってしまった偽装事件で危機的状況に追い込まれた「鳴門わかめ」ブランドは、県認証制度の普及拡大を目指す事になりました。

鳴門わかめ、偽装防止へ新組織 県認証制度の普及図る

鳴門わかめの産地偽装防止に向けて県が設けた認証制度の認証を受けている加工業者が12日、「鳴門わかめ認定業者連絡会議」を近く発足させることを決めた。制度の普及と偽装の再発防止を目指す。一方、鳴門市外の11業者でつくる「鳴門わかめブランド回復対策会議」は同日付で解散した。

 新しい連絡会議の発足準備会が徳島市の徳島経済産業会館であり、鳴門市の3業者と徳島市の1業者が参加した。規約の内容を話し合い「会員が偽装をしたら多額の罰金を課す」「偽装したのが会員以外でも損害賠償を請求する」など、二度と不正が行われないよう厳罰化する方針を打ち出した。

徳島新聞:2016/2/13

一つ提案

本当に「鳴門わかめ」を守りたいなら、鳴門わかめを販売する業者は全てこの組織に入る事を義務化し、常に抜き打ち検査をするべきです。そしてそれをやるのは行政ではなく、民間団体が良いのではないでしょうか?

行政はあくまでも徳島県側で身内です。偽装が何度も繰り返されてしまったのは、見張る者も相手も身内だったせいで、甘かったせいではないでしょうか。外様による厳しいチェックを課し、その上で認証マークを付けた方が信頼回復も早くなるのではと思います。

それほど「鳴門わかめ」への信用は無くなっているとことを肝に銘じて欲しいものです。

最後にひとこと

お味噌汁の具としても人気のある「わかめ」。我が家もよくわかめのお味噌汁をつくりますから、そのわかめの偽装は許しがたい行為です。しかしもう一度だけ信用してみようと思います。新しい組織がしっかりと作られ、安心して食べられる「鳴門わかめ」を市場に送り出してくれるのを期待しています。ただし、仏の顔も三度までです。またしても偽装が発覚したら金輪際買わないでしょう。どうかこの気持ちを裏切らないで下さい。

ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

追記

この記事を公開した数時間後、新たな報道がありました。

鳴門わかめ偽装で強制捜査 専務は「ブランド対策部会」部会長

徳島県鳴門市のわかめ加工業者が、外国産を鳴門産と偽って販売していた疑いが強まったとして、警察は15日朝から業者の家宅捜索を行っています。

 食品表示法違反の疑いで捜索を受けているのは、鳴門市のわかめ加工業者の社屋や幹部の自宅などです。

 この業者は去年10月、市内の土産物店で中国産や韓国産のわかめ60グラム2袋を鳴門産として販売した疑いがもたれています。

 県がこの業者の「カットわかめ」を民間の分析機関で鑑定した結果、外国産の可能性が高いことがわかり、先月業者に対し是正指示を行いましたが、「ブランドイメージを失墜させた」などと判断し、15日朝警察に刑事告発しました。

毎日放送:2016/2/15 (ニュース動画があります)

http://www.mbs.jp/news/kansai/20160215/00000011.shtml

「鳴門わかめ」の偽装は、去年の10月にも起こっており、1月29日に既に報道されていました。私の情報収集不足です。申し訳ありません。この件については新たな項目を作って追加しました。

鳴門わかめ、復活できるんでしょうか。正直、無理な気がしてきました。酷すぎます。

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