新しい年から奈良県・垣谷繊維の「白雪ふきん」を使い始めました。真っ白な布巾で食器を拭き、傷んできたら台拭きに、そしてどうしようもないほど傷んだら最後に雑巾として使う予定です。
真っ白なふきんが欲しい
台所や食事用のテーブルに必須アイテムと言えば「ふきん」です。中国製の5枚入りの安価なものも十分働いてくれますが、100円ショップにある日本製の布巾を買っています。
「極上ふきん強靭」は、ダイソーやキャンドゥなどの100円ショップで買える日本製のふきんです。1枚入りですが、サイズが大きく、洗い立ての鍋を仮置きする時に敷いて使えるなどの利点もあり、気に入っています。
しかしフチにはピンクのステッチが入っており、真っ白ではありません。最近「真っ白な布巾」が欲しいと思っていた私は、百貨店で「白雪ふきん」を見つけました。
正直、今まで使用してきたものと比べて割高ですが、商品パッケージの帯や裏書きに素敵な誘惑の言葉が並んでおり、買ってしまいました。
垣谷繊維の白雪ふきん
詳しい事は白雪ふきんを作っている谷垣繊維のサイトに行けば色々と判りますが、ざっと「白雪ふきん」について記載しておきます
通気性抜群の蚊帳生地
白雪ふきんは「蚊帳生地」を使用しています。「蚊帳」は元は「蚊屋」で、蚊の侵入をふせぐためのものでした。しかし暑い夏の最中、風の通らない場所で眠る事はある意味地獄です。しかし「蚊帳」は通気性が素晴らしく、貴族などの高い身分の人にしか使えない高級な布でした。
その後、機械によって生地が織られるようになった明治時代になり、一般にも広く使われるようになりました。そんな蚊帳ですが、使用者はかなり減っています。もちろん現在もまだ使用している人がいますが、その主な目的は直接クーラーの風に当たらないようにするためなどだそうです。
蚊帳(かや)
夏期にカその他の小虫をを防ぐための麻や木綿製のとばり。主として就寝時に使われる。部屋の大きさに応じて五六(ごろく。三畳用、六七(ろくしち。四畳半用)から十十(とうとう。十畳用)まで、8つの型がある。
黄緑色に赤い縁をつけたものが一般的で、このほか白や黄色のものがある。「蚊帳は1日で縫い上げるもの」といって、村の女の人たちの共同労働(ユイ)でつくるところもあった。南九州では、吊り手を1つ取り外した「三隅(みすみ)蚊帳」を死者の上に掛けるので、平常はこの種の蚊帳を忌む習慣があった。また、雷が鳴るときに蚊帳に入れば安全という俗信も広く伝えられている。最近はクーラーの発達などで、ほとんど用いられない。
ブリタニカ国際大百科事典より
拭くvs自然乾燥
洗った食器をその後どうするのか?このテーマはネット上ではよく議論されています。
私の見たところ、水切りかごで自然乾燥させる、あるいは、食器洗い乾燥機で乾燥させている方が多い印象です。とは言え、使用した食器の量が多かったり、食洗機が無ければ拭かざるを得ないこともあるでしょうから、結局は各々の環境次第で拭く拭かないが決まるのが現状だと思います。
でも衛生的な視点で考えると自然乾燥が良いと言われています。その理由は「食器を拭く」行為は使う布巾によって問題があるからです。卸したての清潔な布巾で拭くなら問題はありません。しかし何日も続けて使っている布巾だったり、一度使ってしばらく放置された上湿ったままの布巾で拭く場合は、季節によっては雑菌が大量繁殖していることもあります。
なので拭くなら清潔な布巾を使いましょう。と言いつつ、あまりに菌を排除した生活は抵抗力の低下を招くので、そうこだわらないでいいと個人的には思っています。
ちなみに我が家には食洗機が無いので自然乾燥させてから、さっと雫を拭って食器を仕舞っています(多い時や置き場所が無い時は拭きます)
理想は、熱めのお湯で食器洗いをして短時間で自然乾燥させ、埃が掛からないうちに、小さな水滴は拭き取って、食器棚に仕舞う・・・・という流れです。これを毎日続けられたらいいのですが。
白雪ふきん
こちら購入してきた白雪ふきんです。2枚入りを二つ買ってきました。
1つをアップで一枚。手造り8枚重ねとあります。作っているのは垣谷繊維さんです。
後ろです。台所漂白剤も使用できるとあります。シミを気にせず使えますね。帯にはMADE IN JAPANとあります。
後ろに入っていた冊子です。この「白雪ふきん」は高森寛子著「美しい日本の道具たち」という本の中で取り上げられているそうです。著書の中で「私の好みは縁かがりのない純白のものだ。」とあります。縁かがりはあってもいいのですが、白一色がいいなと思っているので、親近感。この本を読んでみたいなと感じました。
帯の後に白雪ふきんの4つの特徴が記載されていました。
- 優れた素材
- 丈夫な製法
- 優しい手触り
- リサイクル性
使い込むと相当柔らかくなるようだし、汚れも落ちやすいということで期待しちゃいます。
白雪ふきんは糊で鹿児島産のサツマ芋でんぷん糊でぱりぱりになっています。糊まで日本産だとは驚き。
袋から出しました。糊でぱりぱりです。
糊を落とすために40度のお湯を洗い桶に溜めて洗います。洗い桶は昨年買ったばかりのお気に入りのステンレスのもの。いつでもピカピカで大満足です。
あっという間に白く濁りました。しかし濁らなくなるまで10回以上は洗いました。中々の強敵です。
干してたたみました。少しまだ固い・・・ひょっとしてまだ糊が残っていたのかも?相当洗ったんだけどな。
使用してみた感想
糊が落ちきっていなかった?かもしれませんが、使いました。まず洗い立ての食器を拭いてお試し。
拭いてみると水滴があっという間に消えました。見事としか言えません。これはちょっと快感でした。今まで綿100%と記載されている食器拭きなど色々試しましたが、ここまで吸い取ってくれるものはありません。
気になった点
素晴らしい吸水力ですが、気になった点もありました。
白雪ふきんはとても薄い蚊帳生地を重ねたふきんなのですぐに引っ掛かります。私の指のささくれにさえ引っかかってたので相当ひっかかりやすいでしょう。調理器具の尖ったものを拭こうとしたら大変なことになりそうです。ただ8枚も重ねられている生地ですから、すぐに穴が開いてしまう心配は無いですしまだまだ持ちそうです。それにその引っかかりが気にならないほどの吸水力です。
気になる点はもう一つ。糊を落とすまでに結構なお湯が必要なことです。私は10回以上、もみ洗い、すすぎをしました。流石に水道代が掛かりますし、もう少し簡単に糊を落とす方法はないものかなと思いました。
とは言え、ここまで快適に拭けるふきんを私は知りませんでした。もっと早くに買えばよかった。というか、ちょっとした手土産で持って行くとかなり喜ばれる代物だと思います。
お手入れ方法
白さを保つために固形洗剤で洗うと良いでしょう。その時に洗濯板があるとなおよしです。というわけで、私はふきん用固形洗剤と洗濯板を買いました。気に入っています。詳しいことを知りたい人は個別記事をどうぞ。
最後にひとこと
8枚重ねの生地であるにも関わらず、絞るのは簡単で、耐久性もかなりありそうです。どれくらい使えるかわかりませんが、これからずっとこのふきんを使って食器を拭きたいと思います。今まで使っていたものは・・・テーブルダスター行きかな。