私は普段から中国製や中国産のものを避けています。それはそのもの自体への安全性を疑う気持ちと、実際にトラブルが多いからです。特に体に使うものは絶対に使いたくありません。取り返しがつかないことになるかもしれないからです。今日はほくろやいぼを除去できると謳った「点痣膏」という化粧品がかなり危険な症状を引き起こしており、国民生活センターが注意を呼びかけている化粧品が出たので取り上げます。
ほくろ・いぼを除去するクリームで重い皮膚障害
まずはソースをどうぞ。
「ひと塗りで安全にほくろやいぼが取れる」などとうたい、ネットで販売されている「点痣膏」という中国製と見られるクリームについて、国民生活センターが分析したところ、重い皮膚障害などを引き起こすおそれがあることがわかり、使用の中止を呼びかけています。
国民生活センターが使用の中止を呼びかけているのは「点痣膏」という中国製とみられるクリームです。
国民生活センターによりますと、ことし10月末までの5か月間に、この商品を使用し、皮膚にやけどのような跡が残ったなどという事例が4件、寄せられているということです。このうち、70代の女性は、連絡先が海外になっている販売サイトで購入して使用したところ、クリームを塗った額が赤く腫れ、化学熱傷によって皮膚がえ死していると診断されたほか、鼻の周りに塗った50代の女性は皮膚がむけて茶色く変色したということです。
国民生活センターが同じ銘柄の4つの商品の成分を分析したところ、すべてカルシウムが検出され、重い皮膚障害などを引き起こす強いアルカリ性を示したということです。
商品はSNSの広告や販売サイトで、「素早いほくろ除去」「痛みも跡もない」などとうたっていて、使用する際の注意事項や危険性に関する記載はなかったということです。
国民生活センターは商品を持っている場合はすぐに使用を中止するよう呼びかけるとともに、個人輸入の医薬品や化粧品は安全性の確認が不十分だとして、少しでも不明な点がある場合は購入を控えるよう呼びかけています。
NHK WEB:2023年12月13日 17時25分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231213/k10014287091000.html
国民生活センターのソースも貼っておきます。
2023年6月、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に、SNS上の広告を見てインターネット通信販売で購入した、ほくろ、いぼ、しみ等が取れるという、海外製の「点痣膏」(中国語読みで「ディエンジーガオ」)というクリームを顔面のほくろにつけたところ、化学熱傷を負ったという事故情報が寄せられました。
また、同年8月に消費生活センターから、同じ銘柄名である「点痣膏」というクリームについてテスト依頼が2件あり、調べた結果、いずれも強アルカリ性で、皮膚に使用すると重篤な障害を引き起こすおそれがあると考えられました。
そこで、「点痣膏」による事故の再発防止のため、消費者に注意喚起することとしました。
後略
国民生活センターより
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231213_1.html
国民生活センターで詳細をさらに読みましたが恐ろしいことが書かれていました。
点痣膏は強アルカリの軟膏
国民生活センターには今回トラブルを起こした中国製の軟膏「点痣膏」を使って実験を行った結果の詳細が公開されていました。それを読むと震え上がる結果となっています。報告書をざっと完結にまとめて抜粋します。
実験対象となった中国製の軟膏「点痣膏」
カビキラーより強い「強アルカリ性」
国民生活センターが「点痣膏」の成分を分析した結果、「点痣膏」はpH14の強アルカリ性のクリームでした。「pH14の物質を顔に塗る!?」とドン引きというか声もでないほど恐怖を感じました。
物質を水に溶かすと、その成分は「酸性」「中性」「アルカリ性」の三つに分けられます。解りやすいように、身近にある洗剤や飲料水をエクセルで表にしてみました。
数値は一般的な数値や概算のものになっています(濃度によって左右されるため)
この表を見ると、今回問題となった「点痣膏」のpHの数値が14で、とんでもないものであるのが解ります。なんせカビ掃除に使う「カビキラー」よりもきつい。それを顔に塗るなんて・・・。
被害者の写真(閲覧注意)
あまりに酷いことになっているので、治療した医師からの通報に至ったようです。その資料には写真もありました。かなり酷いので注意してご覧ください。
まずは一つ目。痛々しいです。
二枚目。こちらも痛そうです。
一生消えない傷跡
素人の私でも思ったのですが、どうやらこの傷は消えない可能性があります。それほど酷い化学やけどなのです。専門家の意見も公開されていました。
専門家のコメント
藤田医科大学名誉教授 松永 佳世子先生
国民生活センターで調べた「点痣膏」はpH 14の強アルカリ性のようですので、塗布して生じた皮膚障害は化学熱傷と呼ばれるものに該当します。
化学熱傷は、化学物質が皮膚・粘膜に一次的に接触した際、その物質固有の化学反応によって惹起される急性組織反応で、原則としては熱作用を伴わないものをいいます(注5)。原因物質としては、酸・アルカリ・腐食性芳香族化合物・芳香族炭化水素・金属及びその化合物などが
知られていますが、特にアルカリは原因物質として頻度が高く、また、重症の化学熱傷を生じさせます(注6)。アルカリは、水酸基イオンが蛋白の水素イオンと反応して最終的に細胞内脱水をきたし、鹸化作用により脂肪組織の機能が失われ、その結果、水分が漏出します。アルカリ金属イオンが蛋白と結合してアルカリ蛋白を生成し、水酸基イオンを含んだままより深部に浸 透して組織障害を広げます(注5)。
「ほくろ」は色素性母斑という良性の母斑ですが、褐色や黒色の色素細胞の悪性腫瘍である悪性黒色腫や、基底細胞がんという皮膚がんなども、色素性母斑と似ており、傷つけると生命 に関わるものがあります。専門医でないと鑑別が難しいものです。色素性母斑の治療は、この 良性、悪性の鑑別ができ、安全に治療のできる医師が行うものであって、「点痣膏」のように強 アルカリ性で腐食性のある化学物質で、安易に除去することを勧める、あるいは、製品を販売 する行為は、医師として容認できるものではありません。医師法、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にも違反している可能性があります。
一度、腐食した部位は、深い潰瘍になり瘢痕(注7)が残ります。皮膚移植等の外科手術なども 必要になる場合があります。
このような皮膚障害を起こすことがないよう、「点痣膏」のような商品を購入して、ほくろ等 を取る処置をしないようにしましょう。
(注5)山元 修:化学熱傷:誰もが知っておきたい知識. 熱傷 2020; 46(1):1-15.
(注6)Greenwood JE, et al.: Alkalis and skin. J Burn Care Res 2016; 37:135-141.
(注7)はんこん。傷が治った後に残る傷跡のこと。
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231213_1.pdf
日本向けの商品?
国民生活センターの資料によると、販売していたページは日本語で発送先は日本に限定されていました。このことから日本向けの商品だろうと指摘されています。腹が立つことこの上ない。
前略
通信販売サイトの表示 「点痣膏」は個人輸入に該当するものと考えられ、日本国内のみに向けて販売されてい
ました
当センターが「点痣膏」を購入したサイトの表示を確認したところ、「濃縮ほくろ・いぼ 取りクリーム」として販売され、効果や用途、使用方法等が記載されていました(図参照)。 「痛くないほくろ除去・跡が残らない」、「ひと塗りで安全かつ効果的にホクロやイボを除 去できる」といった説明や、使用前後としてほくろ等がなくなっている写真、配合されてい るとされる植物エキスの原材料の写真等、安全にほくろ等が取れると受け取れる表示がみ られました。なお、「点痣膏」が強アルカリ性で、取扱いに注意を要することなど、危険性 に関する記載はみられませんでした。
同サイトは、すべて日本語で記載されているものの、事業者の連絡先として海外の住所 が記載されており、個人輸入に該当するものと考えられました。なお、商品の配送先は日本 国内に限られており、日本国内のみに向けて販売されている専用のサイトであると考えら れました。
後略
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20231213_1.pdf
出所不明な食べる、飲む、塗る中国製は避けましょう
私はすべての中国製、中国産を否定するつもりはありません。とくに比較的管理の厳しい日本メーカーの工場が関わっているものであれば、安全性は高いだろうと思っているからです。それでも避けていますが、それは私の判断です。
しかし全て中国で管理しているものに関しては徹底して避けるべきだと、今回の件で強く思いました。顔に塗ってしまって一生消えない傷跡になってしまった女性は今とても苦しんでいるでしょう。本当にお気の毒です。
他にまた被害を被ることのないように、どうか中国製の化粧品やダイエット食品は本当に避けてください。
最後にひとこと
中国製アプリも個人情報を抜かれるものです。そして「SHIEN」などの中国系通販サイトも利用はしないほうが良いでしょう。個人情報、クレジットカード情報を抜かれた上、最近話題になったトコジラミも段ボールで届きます。異常に安いもの、異常に効果のあるものは嘘だと思ってください。本当ならもう日本企業が売っているはずです。