中国製の使い捨て歯ブラシから毒物「ジエチレングリコール」検出

2007年、中国製の使い捨て歯磨き粉から人体に有毒な「ジエチレングリコール」が検出され、日本国内でも回収されていました。10年前のニュースですが、私は全く知らなかったので注意喚起のために取り上げておきます。

中国製 使い捨て歯ブラシ ジエチレングリコール

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中国産練り歯磨きに致死量の毒物

まずはソースをどうぞ。

有毒物質を入れても合法?中国産練り歯磨きに致死量の毒物

2007年5月23日、FDA(アメリカ食品医薬品局)は中国産の練り歯磨きからジエチレングリコールが発見されたとして、全面的な調査を開始した。報道を受け、中国でも各地の練り歯磨き工場での立ち入り検査が行われているもよう。

今回きっかけとなったのは、パナマで中国産練り歯磨きから致死量のジエチレングリコールが発見されたこと。製造元の江蘇省丹陽市の成事家化有限公司は輸出専門の練り歯磨き製造業者。会社は中国では練り歯磨きに少量のジエチレングリコールを使用することは合法であり、安全だとコメントしている。***

ジエチレングリコールは腎臓や中枢神経に悪影響を及ぼす有毒物質で、過去多くの死亡事故が起きている。安価な甘味料・保湿剤として使用されるケースが多い。先日も中国企業が輸出したジエチレングリコールを原料とした咳止め薬が原因で、数百名の死傷者が出たばかり。現在、中国ではジエチレングリコールを規制する法律がなく、企業の自主判断に任されているという。世界各地で中国発ジエチレングリコールの健康被害が広がる中、早急な対策が望まれる。(翻訳/編集・KT)

レコードチャイナ:2007年5月25日(金) 10時34分

全く記憶がありません。そんな自分に驚きです。そしてこの事件からアメリカでも調査が行われ、回収騒ぎになっていました。

U.S. seizes tainted toothpaste from China

WASHINGTON (Reuters) – Consumers have been warned to avoid any toothpaste made in China after inspectors found a poisonous chemical in toothpaste seized at the border and sold at two stores, U.S. health officials said on Friday.

The U.S. Food and Drug Administration (FDA) began scrutinizing toothpaste imported from China last week after similar products in Latin America were found to contain diethylene glycol, or DEG, often found in solvents and antifreeze.

後略

ロイター通信(英語版):June 2, 2007 / 4:21 AM / 10 years ago

「a poisonous chemical in toothpaste」と私にもわかる記載があります。

ジエチレングリコールとは

「ジエチレングリコール」について手元の辞書で調べてみました。

プラスチック原料などの工業製品に添加される化学物質。略称DEG。甘みがあるため、薬や食品に添加されることがあるが、飲食・食用として大量に摂取すると肝臓障害などを起こす毒性がある。

中国製の歯磨き粉やせき止めシロップに混入されていたため、パナマで死者を出した例もある。日本でも中国製歯磨き剤から検出され、厚労省が含有量規制の省令を決めた。

現代カタカナ語辞典より

パナマで死者が出るような大事になっていたとは全く知りませんでした。そして日本国内で流通していた中国製歯磨き剤があったとは。

「ジエチレングリコール」被害で死者が出たパナマ

パナマでの「ジエチレングリコール」被害について調べていたら、愛知県衛生研究所のページに詳細が記載されていました。

パナマにおける謎の疾病原因はジエチレングリコール

2006年11月28日

本年9月以降、パナマで多数の死者が出た謎の疾病の原因について、米国疾病予防管理センター(CDC)から「CDCがパナマの謎の疾病の解決を支援」と題するニュースが配信されました。

CDCの国立環境衛生センター(NCEH)の科学者らは、本年9月以降、パナマで多数の死者(10月26日現在、パナマ保健省の発表では34名の死者)が出た謎の疾病について、パナマ社会保障機関(政府機関)が製造した無糖咳止め・抗アレルギーシロップ剤に混入されたジエチレングリコールが原因であったことを突き止めました。疾病は下痢と発熱で始まり急性腎不全、麻痺、死亡に至るもので、患者の多くは60才以上の男性でした。パナマ保健省は医師らの疾病報告に基づき対応を協議し、米国CDCや米国食品医薬品局(FDA)などに原因究明のための国際協力を要請しました。

後略

まさか咳止めシロップの中にそんなものが入っているなんて思っていなかったでしょう。亡くなった方々は非常にお気の毒です。

日本で販売されていた

「ジエチレングリコール」を含有した歯磨き剤があったということで、当時のニュースを探すと、かつてダイソーで売っていたことが個人ブログなどで多く取り上げられていました。

しかし流石に古いニュースで新聞社などのソースを見つける事はできなかったので、中国の食品や製品の危険性について書かれている書籍「中国 猛毒商品に殺される」をソースとして提示しておきます。

この書籍の中で、ダイソー以外に「旅館」などに備え付けられている「使い捨て歯ブラシ(中国製)」からも「ジエチレングリコール」が検出され、自主回収されたことも記載されています。良かったら手に取ってお読み下さい。

国内流通のワインから「ジエチレングリコール」検出

甘みがあり、適度なとろみを出すという「ジエチレングリコール」はワインにも添加されていたことがありました。日本では、その外国産ワインを原材料として使ったワインから検出されたのです。

前略

医薬品に限らず、食品でもジエチレングリコールに振り回された事件がありました。

1985年、オーストリアにおいて、極甘口のデザートワイン市場に目を付けた一部のワイン業者が、糖度の足りないワインに数g/L濃度でジエチレングリコールを混ぜて市場に出していたことが発覚しました。

これを機にわが国でも検査が開始され、ジエチレングリコール混入輸入ワインが発見され、その後、輸入品に止まらず国内品からもジエチレングリコールが検出されました。国内メーカーが故意に添加した事実がなかったことから、外国産のバルクワインが国産ワイン原料として使用されていたことが明らかとなりました(原産地を偽装表示したワイン)。

後略

マンズワインの悪質な隠蔽工作

「原産地」偽装は許されない悪質な行為だと痛感する事件で「1985年オーストリア産ワインジエチレングリコール混入事件」の中の日本で起こった悪質な原産地偽装問題としてwikipediaにも取り上げられています。

1985年オーストリア産ワインジエチレングリコール混入事件(1985ねんオーストリアさんワインジエチレングリコールこんにゅうじけん)は、1985年にオーストリアで生産されたワインなどに、甘味やまろやかさを加える目的でジエチレングリコール(以下、DEG)が不正に添加された事件。

中略

8月29日、食品検査機関である日本食品衛生協会は、購入者が持ち込んだワインからDEGが検出されたと発表した。マンズワイン株式会社(以下、マンズ社)製造の「マンズエステート貴腐ワイン78年産」720ml入と「エステート氷菓ブドー吟醸」180ml入で、前者はマンズ社20周年記念として流通業界に300本が配布され、その後3000本が販売された。検出量は1リットル当たり1.216グラム。後者は頒布会で5万本が販売され、検出量は同1.779グラム。いずれもオーストリアのセイントハーレー社で原液が生産され、マンズ社の山梨県内のワイナリーでボトリングされたものである[7]。マンズ社は9月2日より全製品の出荷停止に踏み切った[8]。8月初めに輸入元の三菱商事からマンズ社に対し原酒の引き取りの申し出があったことから、その時点で混入があったことを認識していたとみられている[9]。9月8日、厚生省は4段階の検査基準をクリアした製品に安全シールを貼ることとし、マンズ社以外の国産ワインは安全として出荷を許可した。その後の調べでマンズ社は山梨県の検査をすり抜けるため自主的な検査を行い[10]、ハーレー社からの輸入樽詰原酒を浄化槽に廃棄していたことが発覚した[11]。この責任をとり、マンズ社の茂木七左衛門社長は9月14日付を持って辞任した。

検査前に証拠隠滅を図るとは非常に悪質です。しかしこの件をきっかけにマンズワインは国内シェアを減らし、メルシャンに取って代わられたそうです。自業自得ですね。

日本ではジエチレングリコールの含有量規制開始

国内でも流通していたことに戦慄すると同時に、有害な化学物質であるにも関わらず、含有量の規制値が無かった事に驚愕しました。しかし、死者まで出ているので、現在は規制値が定められています。

ジエチレングリコールのチェック体制強化‐局方・化粧品基準を改正

プラスチックの原料など工業製製品に用いられているジエチレングリコールの医薬品や歯磨剤への混入が内外で問題になったことを受け、厚生労働省医薬食品局は21日、日本薬局方や化粧品基準を改正し、欧米並みにチェック体制の強化を図った。2009年4月1日以降に製造・輸入される医薬品は、今改正の基準に適合が求められる。

後略

薬事日報:2008年2月22日 (金)

「工業品」に限定せず、化粧品や医薬品にも使われ続けていることが気がかりです。一歩間違えれば死者も出る化学物質を原材料にすること自体を禁止してくれた方が国民としては安心なのですが・・・代替品がないのでしょうか。残念です。

原料原産地を明らかにする動き

昔から続く「原産地偽装」に辟易しますが、「原産地」を明らかにしようという動きも強まっています。完璧は無理でもその動きが大切です。取り上げている記事があるので興味のある方はそちらをお読み下さい。

実現が難しすぎる加工食品の原産地表示義務/食品流通の根本的改革が必要か

抜け穴だらけの新しい「加工品の原料原産地表示制度」の問題点と注意するポイント

最後にひとこと

残念ながら、中国製の使い捨て歯ブラシは現在も日本国内で流通しています。「中国製」という記載があれば避けられますが、無い場合は使用しない方が良いでしょう。しかしこれを機会に自分のお気に入りの「歯磨きセット」を持つようにしてはいかがでしょうか。使い捨てなければゴミもでませんし、良いことづくめだと思います。

ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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